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産業ロボットのセーフティレーザスキャナによる安全対策

産業ロボットの安全対策

産業用ロボットなどの生産性向上を目的とした自動化の導入が進み、労働災害のリスクが多様化していることから、ものづくりの現場では安全対策の重要性が高まっています。
複雑化する生産現場の安全対策に対応するため、ライトカーテンやマットスイッチなど従来の安全機器に加えて、設置の自由度が高いセーフティレーザスキャナが注目されています。
今回は産業用ロボットとその中でも注目されている協働ロボット周辺でのセーフティレーザスキャナの活用方法について紹介します。

セーフティレーザスキャナとは

セーフティレーザスキャナとは、レーザ光を2次元で水平にスキャニングを行う、反射型の安全センサです。危険領域の侵入検知、居残り検知、搬送台車の障害物検知に使用されています。
また、国際規格に沿った設計が為されており、第三者認証機関に認証された安全機器です。

各種比較

防護領域を自在に設定できることから設置の自由度が高いのが特徴です。
ライトカーテンやマットスイッチの置換えとしても活用できる柔軟な安全機器です。

産業用ロボット活用事例

産業用ロボットは可搬重量が大きく、パレ/デパレタイジング、溶接、組立などの人ができない、もしくは負担が大きい作業などで活躍しています。 多くの場合、安全対策は安全柵でロボットと作業者がいるスペースを分離し、可動ガードのドアスイッチやライトカーテなどと組み合わせて実施されています。しかし、この方法では”侵入”しか対策されておらず、柵内での作業者の“居残り”リスクへの対策が不十分です。

安全柵内には他の周辺装置も設置され、ロボットの起動ボタンの位置からは見えない死角が存在することがあります。この場合、メンテナンス作業後などに作業者Aが柵内の他作業者Bの居残りに気づかず装置を再起動してしまうリスクが想定されます。 セーフティレーザスキャナを柵内の任意の箇所へ設置すれば、現場の空間に合わせた検知領域を自在に設定することができるため、作業者Aの死角の居残り監視が可能です。

ライトカーテンやマットスイッチで居残り検知の安全対策を実施する場合、ライトカーテンやマットスイッチでは決まった形の領域でしか監視できないため、柵内の空間に合わせて領域を設定することが困難です。また、複雑な領域をカバーするために複数箇所にセンサを設置すると設備のコストと立ち上げ工数が増加するデメリットがあります。

協働ロボット活用事例

協働ロボットは文字通り”人と協力して働く”ロボットであり、作業者がいる既存ラインへ導入することを想定して設計されています。従来の産業用ロボットと比較すると、可搬重量は小さいものの、ティーチングが容易で導入までのハードルが低いことが特徴です。
協働ロボットには、規定に沿った安全機能が搭載されていますが、追加で安全対策が必要な場合もあります。例えば、ワークが鋭利であるなど作業内容自体に作業者が怪我をするリスクがあるといった場合です。

セーフティレーザスキャナを用いれば、作業者がロボットやワークに近づいたことを検知し、接触前に低速動作へ切り換えたり、ロボットを停止させたりすることが可能です。
当社セーフティレーザスキャナUAMシリーズは、周囲270°の広い範囲をカバーできるため、ロボットの台座へ対角に設置すれば、2台で簡単に全周囲を監視することが出来ます。

また、協働ロボットは移設が容易なこともメリットですが、安全柵やライトカーテン、マットスイッチなどの安全機器では移設時に無駄なコストや手間がかかっていました。セーフティレーザスキャナをロボットの台座に設置する方法は追加コストも手間もかからない最適な追加安全対策と言えます。

まとめ

産業用ロボット・協働ロボットを問わず、運用するには人との適切な安全対策を実施する必要があります。そのため、ロボット周辺での安全機器としてセーフティレーザスキャナは注目されており、これからの安全対策にセーフティレーザスキャナを選択肢のひとつとしてご検討いただければ幸いです。

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