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自動搬送台車(AGV)の行先指示を実現する光データ伝送装置とは?

自動搬送台車(AGV)と行先指示

物流現場や製造現場では、自動搬送台車(AGV:Automatic Guided Vehicle)が広く活用されています。
AGVは部材や製品を搭載し、床面に敷設された磁気テープなどに沿って自動走行することで、指定された場所まで搬送を行います。
人手による搬送作業を削減できるため、省人化や作業効率の向上に貢献しています。
AGVが工場内を走行する際には、交差点や分岐点において「次にどちらへ進むか」という行先指示が必要になります。
このような行先指示を行う手段の一つとして、光データ伝送装置のパラレルタイプが利用されています。

光データ伝送装置とは?

光データ伝送装置は、光(赤外線)を媒体としてデータをやり取りする無線式の伝送装置です。
本来、設備間の信号の受け渡しはケーブルによる有線接続で行われますが、光データ伝送装置を使用することで、光を利用した非接触通信に置き換えることができます。
そのため、設備と移動体との間など、ケーブルの敷設が困難な箇所でも信号の送受信が可能になります。
また、光(赤外線)を伝送媒体としているため、電気ノイズや磁界の影響を受けにくく、電波通信のような法規制を受けない点も特長です。

光データ伝送装置には、大きく分けて「シリアルタイプ」と「パラレルタイプ」の2種類があります。
シリアルタイプは、数値データや文字データ、画像データなどの比較的大容量なデータ通信に適しており、
最大200mまでの長距離通信に対応したラインアップも用意されています。
一方、パラレルタイプはON/OFFのI/O信号の伝送を目的としており、伝送距離は主に1〜3mです。
比較的短距離で確実な信号伝送が求められる用途に適しており、AGVの行先指示にも多く採用されています。

パラレルタイプの型式構成

ここでは、パラレルタイプの代表的なシリーズである「DMS-G/H-Vシリーズ」を例に、型式の見方をご紹介します。
パラレルタイプでは主に「伝送方向」「伝送距離」「伝送容量」の3つの条件によって型式を選定します。

〇伝送方向:光軸の方向によって型式が異なります。
(ヘッドオンタイプは「DMS-G」、サイドオンタイプは「DMS-H」となります。)

パラレルタイプの型式構成

〇伝送距離:末尾Vシリーズでは、1mもしくは3mのどちらかを選びます。
(1mタイプは「DMS-〇〇1」、3mタイプは「DMS-〇〇2」となります。)

〇伝送容量:末尾Vシリーズでは、4BITもしくは8BITのどちらかを選びます。
(4BITタイプは「DMS-〇A〇」、8BITタイプは「DMS-〇B〇」となります。)

★ヘッドオンタイプで、伝送距離が1m、伝送容量が4BITだと、「DMS-GA1-V」になります。

パラレルタイプの通信方式

パラレルタイプは2台1組で使用し、互いにデータを送受信します。
DMSシリーズの末尾Vタイプでは、送信機と受信機が固定されているわけではありません。
購入後に配線によって送信待機モードまたは受信待機モードを設定して使用します。
そのため、1セットで使用する場合は同一型式を2台ご用意いただきます。
例えばDMS-GA1-Vを使用する場合は、DMS-GA1-Vを2台準備し、それぞれにモード設定を行います。
また、DMSシリーズでは本体から入力線と出力線の両方が出ており、4BITタイプでは入力4点、出力4点を備えています。
通信方式には「半二重双方向伝送方式」を採用しています。
これは送信と受信を同時に行うのではなく、交互に切り替えて通信を行う方式です。

まず、片側を送信待機モード、もう片側を受信待機モードに設定します。
送信待機モード側からデータ送信が開始され、受信待機モード側がそのデータを受信します。
通信完了後は装置内部で自動的に送信側と受信側が切り替わり、今度は反対側からデータが送信されます。
この動作を繰り返すことで、光軸が合っている間は双方向で情報をやり取りできます。

なお、お客様の方で通信のたびにモード配線を切り替える必要はありません。
初期設定後は装置が自動的に送受信を切り替えて動作します。
そのため、各装置とも入力線を上位機器の出力へ、出力線を上位機器の入力へ接続して使用します。

AGVの行先指示への活用例

AGVの行先指示は、光データ伝送装置の代表的な活用例の一つです。
例えば、AGVがT字路に到着し、右または左へ進路を変更する場合を考えます。
このとき、ステーション側にDMSを1台、AGV側にもDMSを1台設置します。
AGVが所定位置まで移動し、双方のDMSの光軸が一致すると通信が開始されます。
ステーション側から行先指示信号を送信し、AGV側がその信号を受信します。
AGV側の制御装置において、受信した信号に応じて「右折」や「左折」の動作をあらかじめ設定しておくことで、AGVは指示された方向へ進行します。
このように、設備側と移動体側をケーブルで接続することなく、確実に行先指示を行うことが可能です。

DMSシリーズの末尾記号の違い

DMSシリーズのパラレルタイプでは、末尾のアルファベットによって仕様が異なります。
用途や使用環境に合わせて最適なタイプを選択できます。

・末尾-V:標準タイプ・NPN出力
・末尾-P:標準タイプ・PNP出力
・末尾-E:耐ノイズタイプ・NPN出力
・末尾-E70:耐ノイズタイプ・PNP出力
・末尾-W:伝送エリアが広いタイプ・NPN出力
・末尾-Z〇〇:特殊仕様タイプ
(※〇〇にはそれぞれ数字が入ります。この数字によって仕様が異なるため、詳細はお問い合わせください。)

まとめ

AGVのような移動体と設備との間で信号をやり取りする場合、ケーブルの敷設が難しいケースが少なくありません。
そのような場面でも、光データ伝送装置のパラレルタイプを使用することで、非接触で確実なI/O信号の伝送が可能になります。
特にAGVの行先指示では、分岐点で必要な指示信号を直接伝送できるため、配線工数の削減や設備構成の簡素化にも貢献します。
光データ伝送装置は、AGVをはじめとした各種搬送設備や移動体設備において、安定した信号伝送を実現する有効なソリューションとして活用されています。

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