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AGV AMRの安全規格JIS D6802について

加速するAGV AMRの導入と安全規格

近年、物流搬送において人手不足、生産性向上の一環として製造現場を始めとする運搬作業にAGVやAMRの導入が加速しています。
それに伴い安全に対する要求も高まってきており、無人搬送車の安全規格JIS D6802にも大きな変化がありました。
今回は規格について掻い摘んでお話させていただきます。
※規格詳細については日本産業規格 JIS D6802:2022を参照お願いします。

JIS D6802:2022の経緯

無人搬送車の安全規格として2020年2月に国際標準規格であるISO3691-4:2020が発行されたことを受け、日本においてもAGVの安全規格JIS D6802:1997を現在主流となっている安全の基本概念を取り入れた規格として、2022年に「JIS D6802:2022 無人搬送車及び無人搬送車システム-安全要求事項及び検証」としてほぼ全面的に書き換えられました。

主な内容

規格としては、「無人搬送車及び無人搬送車システム-安全要求事項及び検証」という名称の通り
対象となる無人搬送システムの範囲、機械安全の考え方に基づいた安全関連部に要求されるパフォーマンスレベルなどが明記され、安全要求事項に対する検証方法などが規定されています。

規格対象範囲

無人搬送車の例として人が運転する産業車両を自動化した車両や積載形及びけん引形のもの、自律移動ロボットなどが明記され、機械的なレールやガイドで誘導されるものは除外されています。

また、動作や使用環境でも除外項目があり
①過酷な条件(例えば,極端な気候,冷凍用途,強磁場など)での運転中
②原子力の環境下での運転中
③公共区域での運転を意図した車両(特に、JIS B 8445)
④公道での運転中
⑤潜在的爆発性雰囲気の中での運転中
⑥軍事的用途での運転中
⑦特定の衛生上の要件の下での運転中
⑧電離放射線の環境下での運転中
⑨意図した乗員以外の人の輸送中
⑩その性質が危険な状況につながる可能性のある荷(溶融金属,酸・塩基,放射性物質など)を扱うとき
⑪昇降機能による乗員の位置が,床面・地面から運転台の床面まで1,200mmを超えるとき
この規格は,車両にけん引されるトレーラの安全要求事項を含まない。
この規格は,操作員の位置が上昇する車両の安全要求事項を含まない。
などがあり、公道を走行するもの、案内、清掃、警備、配膳用途の車両などといった物品の搬送以外を行うもの、周囲に無人搬送車に関する教育を受けていない一般の方々がいる場所で使用されるものは除外されています。

安全関連部のパフォーマンスレベル

安全関連部の要求パフォーマンスレベル(以下PL)は個々に規定されており、但し書きで質量と運動エネルギーとを考慮に入れ、車両に対して実施されたリスクアセスメントの結果によって制御システムの安全関連部のPLを決定することが可能であると明記されています。
対象となるこの規格内の箇条としては代表的なのもので
・ブレーキシステム
・速度制御
・バッテリの自動充電
・荷役
・操だ
・安定度
・非常停止機能
・人検知システム
などがあり個々に要求されるPLは違いますが、一番大きなものでもPLdが要求されています

また、人検知システムについては圧力検知装置(例えばバンパ)、又はESPE(例えば仮想バンパ:セーフティレーザスキャナ)を備えなければならないとされました。

リスクアセスメントから得られるパフォーマンスレベルについて

リスクアセスメントから得られるパフォーマンスレベル(以下PL)については、傷害のひどさ、危険源への接触頻度または時間、危険回避または危害の制限の可能性から、PLを決定していきます。

まとめ

AGVやAMRについて安全規格が重要視されるようになってきています。
セーフティレーザスキャナやセーフティコントローラで規格に沿った安全関連部の構築を行いましょう。

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