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製品関連製品の原理 用語解説

LiDARの使い方 屋外対応

LiDARとは

屋外で働くロボットや産業車両などは厳しい環境下のなかで環境認識を行う必要があり定められた経路を安定して精度良く走行するためには空間認識をしっかりしなければなりません。
空間認識をするためには一般的にLiDAR(Light Detection and Ranging)と言われる製品が採用されています。LiDARとはレーザー光を広範囲に照射して周辺環境にある壁や人などの対象物に当たって反射してきた光の時間を計測し対象物までの距離や形状を計測するものです。

LiDARの測距方式

LiDARには様々な測距方式があります。

①ToF(Time of Flight)方式
→レーザ光を照射し、対象物から反射して返ってくるまでの時間から距離を算出します。

▶ToF方式について詳細を確認する

②FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式
→時間とともに周波数が変化するレーザ光(連続波)を照射します。対象物から反射して返ってくる光は、送信した光よりも少し遅れて戻ってくるため、送信波と受信波の周波数の差(ビート周波数)を解析することで、対象物までの距離と速度を同時に算出できます。

③三角測量方式
→レーザ光を対象物に照射し、その反射光の位置を別の角度から観測します。照射点・センサ位置・反射点の3点で三角形ができ、角度と位置の関係から距離を算出します。

北陽電機のLiDARは①のToF方式を採用しており、長距離でも高精度な測定が可能になります。

測域センサとは

北陽電機は2003年より測域センサという名称で二次元走査型のLiDARを発売してきました。当時はLRF(Laser range finder)やレーザースキャナーと表現されていて20年ほど前から主に産業用ロボットやAGVなど屋内で従事するロボットの環境認識用途で採用いただいていました。近年では屋外フィールドで従事するロボットなどが増加したことで屋外環境下でも使用できるセンサが必要になってきています。

LiDARを屋外で使用するには

屋内環境下と違って屋外環境下で空間認識するためには様々な条件をクリアする必要があります。例えば雨や雪といった検出対象物との間を遮る遮蔽物であったり、太陽光による外乱光の影響が挙げられます。また低温環境などでも使用する場合もあるため様々な対候性機能をLiDARに盛り込む必要があります。

雨・霧を分離する

このような条件をクリアするための機能の一つとして北陽電機のLiDARにはマルチエコー機能が実装されています。ガラスや雨、霧などの透明体、半透明体にレーザが当たると透明体に反射するレーザとそれを透過して奥にある物体に反射するレーザの2種類がセンサへ帰ってくることがあります。マルチエコー機能は同じステップ角上で帰ってきた複数のレーザ光から距離データを取得できる機能です。
この機能を使用すれば戻ってきた距離値の近い物が雨や霧、遠い距離の物が実際に検出したい対象物といったようなすみ分けができるようになります。また雨や霧以外でも細かいホコリ、粉塵などが舞っている場所でもレーザ光はある程度奥へ抜けるためホコリ、粉塵などの浮遊物が舞う環境下においてマルチエコーは有効です。

低温度環境

また、北陽製品のLiDARは低温環境で適用するためにヒーター機能を搭載した製品をラインアップしています。0度以下になるとセンサ内部に搭載したヒーターが作動し低温環境になっても常温環境と同様に使用する事が可能です。

まとめ

自動運転や産業車両やAMRなど今後大幅にLiDARの需要は増えていく事が予想されています。屋外用途でLiDARをご検討されている方、お困りごとなどがあれば、北陽電機に是非ご相談ください。長年培ってきたノウハウを基に環境・用途に応じたLiDARをご提案させていただきます。

屋外対応LiDARの仕様を確認する

・距離30m、270°の範囲をデータ出力する屋外用レーザスキャナ(LiDAR)。
・距離40m、270°の範囲を計測する屋外用レーザスキャナ(LiDAR)。
・距離50m、190°の範囲をデータ出力する屋外用レーザスキャナ(LiDAR)。筐体に金属ケースを採用。
・距離30m、190°の範囲をデータ出力する屋外用レーザスキャナ(LiDAR)。

雨フィルタ実験

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